薄毛・AGA(男性型脱毛症)の事を調べていると、必ず目にするのがこの「5αリダクターゼ(還元酵素)」と言う言葉です。私も、自分の抜け毛や旦那のM字ハゲを気にするまでは、一切聞いた事なかった5αリダクターゼ(還元酵素)と言う存在が今では凄く近く感じています。
「男性ホルモンが多いとハゲる」と世間では言われていますが、確かにおおざっぱに言うと間違っていない情報かもしれませんが、ハゲる理由はそんなに単純ではないのです。分かりやすい例を出すと「ご飯をたくさん食べる人は太る」と、言っているようなものなのです!≪たくさん食べても太らない理由≫
- スポーツマンで消費カロリーが多い
- 育ち盛りの若者
- 食べる食事の内容によっても、摂取カロリーが大きく違う
- 平均よりたくさん食べても太らない体質(遺伝)
上記に書いたような事は、あなたもなんとなく理解できると思います。特に、一番最後に書かれている「食べても太らない体質(遺伝)」とは、ちょっと厄介なものですよね。食べる事が大好きな人にとって、どんなに食べても太らない体質が羨ましく感じる事でしょう。
見た目では判断できない体質(遺伝)の影響の強さを感じてもらう為に、もうひとつ例を出したいと思います。あなたは、YouTuberの「木下ゆうか」さんをご存知でしょうか?
木下ゆうかさんは本当に極端な例ですが、彼女のように平均より食べているのに太らない体質(遺伝)をもった方は世の中にいる事は事実です。何とも、羨ましい限りですね。
話が少しそれてしまいましたが、薄毛・ハゲに関しても遺伝が大きく関係しています。どんなに男性ホルモンが多くても、髪に悪影響を与える生活をしていても、羨ましい事に薄毛・ハゲに無縁の方がいらっしゃいます。その決め手となるのが、本ページのテーマである【5αリダクターゼ1型・2型のハゲない秘密】なのです。
5αリダクターゼ(還元酵素)とは
「5αリダクターゼ」とは、人間の身体にもともとある還元酵素のことです。酵素とは、ヒトの体内で起こる化学反応をサポートする役割をしており、減量の為にエネルギー消費をサポートする【酵素ドリンク】が有名ですね。
5αリダクターゼの働き
この5αリダクターゼ(還元酵素)は、主な男性ホルモンであるテストステロンをより強力なジヒドロテストステロンに変換する働きを持っています。テストステロンは、骨格や筋肉を作る、性欲・性行動を促す、脳や精神面への影響を与えるもので思春期の頃に分泌量が一気に増え、だいたい30歳になると減り始める傾向にあります。
思春期以降にテストステロンが減り始めると、身体が足りないものを補う為に脳に指令を送ります。脳から指令を受けた5αリダクターゼ(還元酵素)は、減少しているテストステロンをより強力なジヒドロテストステロンに変換する事で男性らしい身体・精神の安定を図っているのです。
男性ホルモン・5αリダクターゼの量と遺伝の関係
男性ホルモン・5αリダクターゼ(還元酵素)の量には、とても興味深い遺伝との関わりがあるのが分かっています。男性ホルモンと5αリダクターゼ(還元酵素)を分かりやすく比較する為に表にまとめてみました。
男性ホルモン | 5αリダクターゼ | |
---|---|---|
種類 | 3種類 | 2種類 |
遺伝の関係 | あり | あり |
個人差(量) | さほど変わらない | 大きく変わる |
生活習慣・環境の影響 | 受ける(増減の可能性) | ほぼ受けない |
加齢による影響 | 30歳を境に減少(個人差あり) | 変わる事はない |
男性ホルモン・5αリダクターゼ(還元酵素)は、どちらも遺伝によって先祖から引き継がれます。残念ながら、あなたが持っている遺伝子は一生同じで変わる事がありません。
男性ホルモンの場合、量に個人差があると言っても微量なもので同じ男性で分泌量の大きな違いはありません。さらに、遺伝だけでなく男性ホルモンの分泌量は生活習慣や環境によって増減する可能性があります。
しかし、5αリダクターゼ(還元酵素)の場合個人が持っている量には大きな差があり、生活習慣や環境で増減する事がありません。
薄毛の原因は5αリダクターゼが理由?
成人男性の薄毛に悩んでいる方の多くは、AGA(男性型脱毛症)であることが分かっています。
AGA(男性型脱毛症)とは
AGA(男性型脱毛症)とは、テストステロンが減少する思春期以降に抜け毛が増える・髪が細くなる症状が見え始めます。AGA(男性型脱毛症)が発症すると生え際から薄毛になり後退していく、頭のつむじの部分(頭頂部)から円状に広がっていく、もしくはその両方で薄毛が進行していきます。
薄毛になる原因を追究したら、5αリダクターゼにたどり着いた
あなたが、本ページを読むきっかけが【5αリダクターゼ(還元酵素)】についてもっと詳しく知りたいと思っていたのであれば、既に【ヘアサイクル(毛周期)】【ジヒドロテストステロン】についてもご存知でしょう。
ジヒドロテストステロンとは何者か?詳しく知りたいと思う方は、先にこちらの記事を読んでから本ページ後半を読み続けていただければ、より理解が深まると思います。
ヘアサイクル(毛周期)を簡単に説明
ヒトの髪の毛を、分かりやすく植物に例えて説明します。髪の毛には与えられた寿命があり、男性では2~5年・女性では4年~6年だと言われています。毛根から栄養を吸収し発毛後長く太い毛へと成長していき、寿命を迎えれば植物が枯れるように髪の毛も抜け毛となり、その毛根からは再び新しい毛が発毛します。
発毛⇒成長⇒抜け毛⇒発毛このサイクルをヘアサイクル(毛周期)と呼んでいます。
※頭皮が乾燥していたり栄養が十分でない場合は寿命よりも早く抜け毛になる事もあります。
ジヒドロテストステロンを簡単に説明
ジヒドロテストステロンは、主にテストステロン(男性ホルモン)と同じような働きをし男らしい身体・精神を作ります。しかし、テストステロンよりも強力なジヒドロテストステロンは、胸毛・ヒゲを濃くする、ヘアサイクルを乱す作用があります。
ジヒドロテストステロンの量は、5αリダクターゼが左右する
ヘアサイクル(毛周期)が短くなる仕組みは、ジヒドロテストステロンが毛乳頭細胞(毛根の付け根部分)の受容体に取り込まれると、ヘアサイクル(毛周期)が正常に働かなくなる為、髪の毛が十分に栄養を吸収できず寿命を迎える前に抜け毛へと変わっていくのです。さらに、抜け落ちていない毛も成長期が短い為に細く短い毛が多くなります。
この厄介なジヒドロテストステロンが出来てしまった場合、自然の力ではどうする事も出来ないのですが上記でもお話ししたように5αリダクターゼ(還元酵素)の量は、個人で大きな差があります。
5αリダクターゼの1型・2型の結合場所と影響
テストステロンを厄介なジヒドロテストステロンに変換する5αリダクターゼ(還元酵素)には、1型・2型の2種類があります。この1型・2型は、どちらもある決められた場所に備わっており、その場所以外での結合(変換を行わない)を行いません。つまり、5αリダクターゼ(還元酵素)が存在するところにヘアサイクル(毛周期)の乱れが起こりやすい為、どこに存在するかでヒトン与える影響が変わっていくると言うことです。
5αリダクターゼ1型が与える影響
5αリダクターゼ1型は、身体全体の皮膚、さらに側頭部・後頭部の皮脂腺に多く存在し、その場所で結合を行います。皮脂腺に多く存在する5αリダクターゼ1型の影響によって、結合が行われジヒドロテストステロンが増加すると皮脂の分泌が多くなります。
30代を過ぎてから、頭皮や皮膚全体が脂でギトギト感を感じるようになったからは、この5αリダクターゼ1型の影響かもしれません。
薄毛の原因にフォーカスして、考えてみましょう。5αリダクターゼ1型が存在する側頭部・後頭部はAGA(男性型脱毛症)がかなり進行した方でも髪の毛が残っている場合は多い部分です。5αリダクターゼ(還元酵素)が存在すると言うことは、ジヒドロテストステロンが悪さをする事も考えられますよね。
しかし、側頭部・後頭部の皮脂腺に多く存在している事からヘアサイクル(毛周期)の乱れへの影響は薄いとされています。さらに、5αリダクターゼ1型は、2型よりも比較的弱いジヒドロテストステロンを生成するのです。
5αリダクターゼ2型が与える影響
5αリダクターゼ2型は、前頭部・頭頂部の毛乳頭に多く存在します。毛乳頭とは毛根のより深くにある部分で、毛細血管通して栄養を受け取る役目をしています。
5αリダクターゼ2型が存在する毛乳頭は、ヘアサイクル(毛周期)により影響を与えやすい場所だと言うことが分かります。
- 5αリダクターゼ2型は、ヘアサイクル(毛周期)により関連ある毛乳頭に存在する
- 5αリダクターゼ2型は、AGA(男性型脱毛症)の脱毛開始部分と存在場所が一致する
- 5αリダクターゼ2型は、1型よりもより強力なジヒドロテストステロンを生成する
5αリダクターゼがあってもハゲない秘密
5αリダクターゼ1型・2型の存在する場所、強度を知ると薄毛の原因となっている憎い奴は、5αリダクターゼ2型であると言うことが分かりますね。
さらに、優良な情報としてヒトの身体全体のジヒドロテストステロンの60%~70%は、5αリダクターゼ2型から作り出されている事が分かっています。
II型5α-リダクターゼが人間の体の全体のDHTの60%~70%を生み出しているのに対して、I型5αリダクターゼは残りの30%~40%のDHTを生産するだけである。
参考:アボダート(デュタステリド)|皮膚科なら明治通りクリニック(渋谷)
5αリダクターゼ1型・2型をしっかりと理解する事で、AGA(男性型脱毛症)に直接影響を与えない5αリダクターゼ1型を多く持っていても、ハゲになるとは限らないことが分かります。
5αリダクターゼを抑制する方法
薄毛の原因の根本が、5αリダクターゼ2型だと言うことが分かりました。薄毛に悩む方にとって、原因が分かったのならばそれを回避する方法を探したいと思うのが当然です。
5αリダクターゼは、繰り返しになりますが遺伝として個人が持っている量が決まっており生活習慣などで変える事が出来ません。
この5αリダクターゼをなくすことはできませんが、AGA治療法に効果的な方法として薬で抑制する事が出来ます。
現在、ジヒドロテストステロンの生成量を減らしAGA(男性型脱毛症)の進行を抑制する事が出来るとして使われている薬には2種類あります。
- プロペシア(フィナステリド):2型を抑制する
- ザガーロ:1型・2型を抑制する
5αリダクターゼと薄毛の原因【まとめ】
いかがでしたか?
薄毛の原因の根本が、5αリダクターゼ2型だと言うことが分かっていただけたでしょか?体質・遺伝は、見た目では判断する事が出来ませんし、生まれもってきたものを変える事はできません。
しかし、現在ではAGA(男性型脱毛症)の正しい治療方法が明確になり、AGA専門クリニックでの高い効果も報告されています。薄毛の原因が分かったのであれば、変わらないものを悩むよりそれを対処する事に専念する方がいいかもしれませんね。
AGA(男性型脱毛症)は早期治療がおすすめです。無料カウンセリングを行っているクリニックも多くありますので、一度足を運んでみるのはいかがでしょうか?