成人男性30〜40代にかけて、髪の毛の量や質で悩み始める方が多い傾向にあります。
しかし、早い方では20代前半でもおでこが広く見えるとか、お辞儀をするのが恥ずかしい(頭頂部が薄い)などの悩みを抱えている方もいます。
一昔前は、カツラをかぶると言う選択肢しかなかった時代ですが、現在では薄毛の治療法・対策方法がたくさんあります。
今回は、薄毛が悪化して手遅れにならない為にも、「早期発見」に欠かせない初期症状について解説していきます。
【もくじ】
薄毛の初期症状をチェック
薄毛の初期症状に気付けたら、早めに対処ができるので悪化を防げる可能性があります。
「自分はまだ若いから大丈夫」「周りの同世代も薄毛対策をしていないし、自分もする必要ないだろう」‥このように油断していると、のちのち後悔することにつながりかねません。
そこでまずは、薄毛の初期症状にあらわれる3つの傾向を確認しましょう。
生え際が後退
AGAで薄毛になる人は、前頭部の生え際が後退する傾向にあります。以前と比べて次のような変化がある場合は、特に注意が必要です。
- 額が広くなった
- こめかみ辺りの生え際が深い剃り込みのように後退している
- 前髪が少なくなった
前頭部の生え際が後退する理由は、AGAの主な原因である5αリダクターゼ2型にあります。5αリダクターゼには1型と2型が存在し、どちらも活発に働くほど薄毛を進行させてしまいます。
5αリダクターゼの2型は前頭部に多く存在するため、額やこめかみ辺りで薄毛が進行してしまうのです。
つむじが広がる
生え際は問題ない人でも、頭頂部から薄毛が進行している場合があるので油断禁物です。
AGAの原因となる5αリダクターゼ2型は、頭頂部にも多く存在しています。頭頂部の5αリダクターゼ2型が活発に働いている場合、次のような傾向が現れます。
- つむじが広がる
- つむじ周辺の髪が薄くなる
頭頂部の薄毛は、生え際の後退と比べて気付きにくいので、こまめにチェックすることが大切です。
お辞儀をするように頭を下げて鏡を見ると、頭頂部の頭皮が透けて見えたり、鏡で頭頂部を確認したら、つむじが大きくなっていたりすることがあります。
細く短い抜け毛が増える
薄毛の初期症状の髪の毛は、次のような傾向があります。- 髪が細くやせ細っている
- ハリやコシが失われ、軟らかくなった
- 短い髪が抜けるようになった
これらは、AGAによってヘアサイクルが変わってしまったためです。
ヘアサイクルとは、髪が成長して抜け落ちるまでのサイクルを指します。ヘアサイクルは「成長期」「退行期」「休止期」の3つの時期に分けられ、それぞれの期間や特徴は次の通りです。- 成長期(2~6年)・・髪が丈夫に長く伸びる時期
- 退行期(2~3週間)・・髪の成長が止まる時期
- 休止期(約3ヶ月)・・新しい髪と古い髪が生え変わる時期
ヘアサイクルが正常な場合、このサイクルを繰り返して髪は常に生え変わります。
しかしAGAで薄毛の初期症状があらわれると、成長期の期間が短くなってしまうのです。そのため、髪はコシがなく、長く伸びることもなく抜け落ちてしまいます。
薄毛の初期症状へ4つの対策!
薄毛は昔から多くの人が抱えてきた悩みということもあり、数々の迷信めいた対策が存在します。ヘアブラシで頭皮を叩けば髪が生える・・というのも、そんな対策のひとつでしょう。
しかし医療が進化した今、薄毛とは「治療」するものです。正しい治療を進めるためには、専門医がいるAGAクリニックを受診しましょう。初期症状の段階で受診すれば、単体の薬で治療が行えるほか、毎月の出費は育毛剤より安く、確実な効果が見込めます。ここでは、薬による治療や生活習慣の見直しといった4つの対策を紹介します。
フィナステリド単体の治療で現状維持
AGAクリニックで処方される薬の代表が、フィナステリドです。フィナステリドは、1日1回服用する飲み薬で、AGAの主な原因となる5αリダクターゼ2型の働きを抑制する効果があります。
フィナステリドを正しく服用した場合、早ければ3ヶ月で効果が出始めます。薄毛が初期症状のうちに薬で治療を始めた方が、早期に効果があらわれる可能性があるので、早めに医師に相談するようにしましょう。
クリニックに行くのが面倒だ、恥ずかしいという思いから、治療薬ではなく育毛剤に頼りたい人もいるかとおもいます。しかし、大前提として育毛剤は薬ではありません。
育毛剤の役割はあくまで、頭皮環境を整えて薄毛治療のサポートをすること。
そのため先述のガイドラインでも、育毛剤の有効成分は「使っても良いもの」ではあっても、「治すもの」とは認めていません。
薄毛を治療しようと思ったら、クリニックが処方する薬が欠かせません。遠回りの治療で薄毛を進行させたり、お金を無駄にしたりしないためにも、しっかりクリニックを受診しましょう。
生活習慣を見直して薄毛の悪化を防ぐ
髪に必要な栄養は血液によって運ばれます。そのため血行を良くすると、髪に栄養が効率的に届くため、薄毛の悪化を防ぐことができます。血行促進には、生活習慣の見直しが欠かせません。具体的には以下の点を気を付けましょう。
- ストレスや疲労を溜めない
- 運動不足を解消する
- 喫煙やアルコール、カフェインは控える
- 十分な睡眠時間を確保する
血行が良くなっても髪に運ぶ栄養がなくては意味がありませんから、栄養バランスを考えた食事を摂ることも大切です。
シャンプー、洗い方を変える
化粧水やボディソープなど、肌に直接触れるものは肌質に合わせて「オイリー肌用」「敏感肌用」と使い分けますよね。これと同じように、シャンプーも髪質や頭皮に合ったものを選ぶことが大切です。
市販されているシャンプーで最も多いのは、鉱物油や動植物油脂から作られる合成界面活性剤を含む「高級アルコール系」シャンプーです。
高級アルコール系は泡立ちが良く、洗い心地に優れていますが、頭皮や髪に対する刺激が強いという一面も持っています。
また、薄毛の人は髪や頭皮に気を使い過ぎるあまりに、力いっぱい洗髪してしまう傾向にあります。これも頭皮や髪にダメージを与える原因となるので、洗い方にも気を付けたいところです。
洗髪の際は、頭皮の汚れを落とすこと中心に、指の腹を使って優しく洗いましょう。
洗髪後は、しっかりタオルドライを済ませてからドライヤーでブローしてください。髪は濡れた状態で熱を当てると強いダメージを受けてしまうため、丈夫に保つためには、できるだけタオルで水分を取り除くことがおすすめです。
頭皮マッサージを行い血行をよくする
頭皮マッサージを行うと、心身をリラックスさせることで血行を促す働きが期待できます。1日5分程度で構わないので、毎日頭皮マッサージを行いましょう。
薄毛になっている部分だけを揉みこむのではなく、頭部を全体的に心地よい強さでマッサージしてください。
指の動きは、地肌を持ち上げるように頭頂部に向かわせるのが基本です。
薄毛は初期が大事な理由!
薄毛が進行すると、オシャレが楽しめなくなるほか、人目が気になるようになりますよね。さらに薄毛が重症化してから治療を始めると、変化を実感するまでに時間がかかるといったデメリットもあります。
さまざまな面から見ても、薄毛の治療は初期症状の段階で始めることが大切です。
AGAは遺伝的なもので進行性
AGAによる薄毛が自然に治ることはありません。また、AGAの原因となる5αリダクターゼの働きの強さは、遺伝による影響を受けるため、一度兆候が現れたら放っておくとどんどん進行してしまいます。
こうした点から、薄毛に気付いたら早いうちに対策を行うことが重要とされているのです。
自分の親や祖父母らに薄毛の人がいる場合は、自分も遺伝の影響を受けている可能性があるため、特に注意が必要です。
AGAによる薄毛は、早ければ思春期以降に現れることもあります。「髪が細くなった気がするけど、まだ10代だから大丈夫」と思っていたら、それがAGAの始まりだったというケースも少なくありません。そのため年齢を問わず、髪や頭皮に変化を感じたら早めに治療を始めることが重要です。
早期治療がコスパが良い
AGAによってヘアサイクルが乱れた期間が長いほど、正常に戻すのに時間がかかります。また、AGAの薬の効果が出るまで時間がかかるようになるため、治療自体にも時間がかかるようになります。薄毛治療が遅れた場合、経済的にもダメージが大きいです。
たとえば、薄毛の初期症状を見つけた段階で治療を始めていれば、薬はフィナステリドの服用のみで、血行促進は生活習慣の見直しだけで済む可能性があります。
しかし治療が遅れてしまうと、血行促進にも薬を使わなければいけない、栄養を補うためにも薬を使わなければいけないといったケースも起こりえるのです。
薬を複数使用すると、当然ながらお金がかかりますし、併用による副作用のリスクも考えなければなりません。
最悪のケースになると、これだけの薬を使って治療をしても効果が見られないこともあります。
薄毛の初期症状を見逃さない裏技
これまでと同じように髪を洗ってブラッシングしているだけでは、薄毛のサインに気付けないかもしれません。こちらから積極的に髪や頭皮の状態を確認し、薄毛の初期症状を見つけましょう。ここで2つの裏技を紹介します。
自分で頭部の写真を撮影する
鏡で頭部を眺めているだけでは、日々の変化に気付くことは難しいです。ぜひ毎日頭部を撮影して、髪質や頭皮の変わり方を可視化できるようにしておきましょう。
撮影はスマートフォンのカメラで十分です。
スマートフォンのカメラには自撮りができるようにインカメラ機能がついていますので、これを使うと簡単に頭部を撮影ができます。
また、スマートフォンなら写真が一覧表のように見ることができるので変化を把握しやすいです。
シャンプー時の抜け毛を確認
少し手間がかかりますが、シャンプーで抜けた髪の毛の数や状態についても確認しましょう。
まず抜け毛の数ですが、洗髪後に24~70本程度の抜け毛であれば正常な範囲です。
抜け落ちた髪が細くて軟らかい、あるいは短いものばかりだという場合は、髪質が落ちているサインです。
さらに薄毛が進行してしている人の抜け毛は、毛根がふくらんでいる傾向にあります。これは、髪が十分に成長できないうちに抜け落ちてしまっているためです。
成長しきってから抜け落ちた髪は、毛根がまっすぐになっています。
まとめ
いかがでしたか?
成人男性の多くの薄毛の原因は、AGA(男性型脱毛症)で遺伝を伴うものです。
≪薄毛の初期症状≫
- 生え際(前頭部)の後退
- つむじ(頭頂部)が広がってくる
- 髪の毛が柔らかく、細くて短い毛が抜ける
このようなものが、挙げられますね。
早期発見で、単体(フィナステリド錠剤)での治療でしたら毎月数千円で行えます。
悪質男性ホルモンがヘアサイクルの周期を限りなく短くしてしまう前に、適切な治療を開始しましょう。