男性ホルモンが多い薄毛になる、ハゲるとか、筋肉ムキムキの人・性欲が強い人はハゲが多いとか・・・このような、話はなんとなく耳にしたことあると思います。しかし、この事に関して調べてみても『薄毛と男性ホルモンの関係』について納得がいくような説明されているサイトが見つかりませんでした。
結論から言うと、「男性ホルモンが多いと薄毛になる」のは半分ホントで、半分ウソ!

さらに、「男性ホルモンは薄毛を促進する事は事実ですが、その他に大事な働きがあります!」

「男性ホルモンは必要なものだから分泌される」ってことは、あなたもなんとなく感じていると思います。
でも、男性ホルモンの何が悪いのか?、男性ホルモンの分泌の量は体質なのか?それとも自分の行動で変えられるものなのか?など、もっと具体的なところをまとめて行きたいと思います。
それが理解できれば、「薄毛と男性ホルモンの関係」について納得できるのではないかと思います。
【もくじ】
男性ホルモンが多いとハゲるのは世間の常識!?
まずは、男性ホルモンが多いとハゲる!事は、どれくらい常識として知られているのでしょうか?SNSの投稿からわかる事は・・・?
ヨーロッパでは女装でハゲ治療が流行中。女装して、男性ホルモンを抑えようという魂胆らしく、女に化けて、その気になれば女性ホルモンが出るので、発毛しやすくなる、とのこと。
— ざっつがっく (@thats_gakku) 2018年2月1日
ねぇ、知ってる?人差し指より薬指が長い男性ほど男性ホルモンが多いから、運動能力が高く、性器が大きく精子の質が良い人が多いんだよ。でも、そのぶん毛深くなったり、ハゲやすかったりするよ
— お豆しば (@omame_shiba_bot) 2018年1月29日
男性ホルモンのデメリットみたいな文脈でハゲやヒゲのこと言うのちょくちょく聞くけど、それ男の人なら普通のことだから。。。(´・ω・)
— ☆とらんす少女ちゃん☆ (@trans_shojo) 2018年1月26日
色んな雑学をつぶやいている人もいましたが、男性ホルモンと薄毛について何等かの関係がある事は皆さんご存知の様ですね。
男性ホルモンの種類と役割
男性ホルモン(別名:アンドロゲン)と呼ばれているものは、ひとつではなく複数のホルモンがあります。名前に【男性】とついているように男性独特の身体機能や体質に大きく関係するホルモンです。
しかし、男性ホルモンは女性にも分泌(男性の5~10%程度)されますし、逆を言うと男性も女性ホルモンをもっています。
※【女性】の男性ホルモンがどのようにして作られているのか、実は女性が持っている男性ホルモンは薄毛だけでなくあの○毛に大きく関与するなど・・・、色々面白い情報は別の記事でまとめていますので、女性の方はこちらを参考にしてみてください。⇒関連記事(作成予定)
テストステロン
男性ホルモンの大部分を占めるテストステロンが分泌されるのは、睾丸(精巣)から95%残りの5%は副腎から分泌されます。このテストステロンは、一定の量が分泌されているのではなくあなたが母親のお腹の中にいる時から考え、人生の中で2回の分泌ピークを迎えます。

①第一次性徴:男子として生を受ける為の胎児形成
胎児の時、母親のお腹の中で男子として生を受ける為にテストステロンが対象に分泌されます。妊娠6週から24週の期間が一番多く分泌され男性の性器が形成されるのです。
②第二次性徴:男の子(子供)から大人の男性に成長する時期
あなたが生まれてから、幼少時代はテストステロンの分泌量はさほど多くありません。幼少時代は、男の子・女の子の体格や声に差がない事にも納得ができます。
第二次性徴として、「男の子から男性としての変化を迎える時期」この時期がテストステロンの第二のピークになります。この時期にテストステロンが多量に分泌されることで子供から大人の男性として準備をしていくのです。
≪テストステロンの作用≫
- 声変わりする
- 陰毛が生える
- 精子が作られるようになる
このように、「男性」としての大きな特徴と子孫繫栄の為の準備がなされるのです。さらに、思春期のテストステロン分泌量ピークの時期に関わらず、テストステロンの作用によるものは以下のものがあげられます。
- 骨格・筋肉の成長をサポートする
- 性欲・性行動を強くする
- 脳や精神面への影響
このようなものがあげられます。成長の段階で、女性も筋肉をつけていきますが一般的に男性ホルモンの量が少ない女性は、男性よりも細身の体格になってしまうことが分かりますね。
性欲・性行動への興味・関心も男性ホルモンと大きく関係があります。男性ホルモンは「左脳よりも右脳を発達させる」とも言われています。精神面ではエネルギッシュでカッとなりやすく、短気で野生的な男性独特な性格は男性ホルモンの影響だと言えるでしょう。
ジヒドロテストステロン(DHT)
ジヒドロテストステロン(DHT)は、テストステロンから5αリダクターゼと言う酵素の働きによって変換された男性ホルモンで、テストステロンよりもより強くなった状態になります。
この強力なジヒドロテストステロンが、テストステロンにはなかった作用を持っているのですが・・・これが、
薄毛の代表であるAGA(男性型脱毛症)の原因となるのです。ジヒドロテストステロンの作用は、テストステロンの働きの他に体毛やヒゲが濃くなるなどの男性らしい特徴が加わってくるのですが、その他に髪の成長に重要なヘアサイクル(毛周期)を乱れさせる(ヘアサイクルが短くなる)働きがあります。

デヒドロエピアンドロステロン (DHEA)
デヒドロエピアンドロステロン (DHEA)は、副腎や性腺で産生される男性ホルモンで現在では前立腺癌と大きな関係を持っているのが、デヒドロエピアンドロステロン (DHEA)だと考えられています。しかし、デヒドロエピアンドロステロン (DHEA)のホルモンを経口投与する事で若返りの効果、老化プロセスを遅らせる効果があると考えられています。
その他、デヒドロエピアンドロステロン (DHEA)サプリメントの効果は以下のようなものがあげられます。
- 副腎疲労
- 循環器病
- 糖尿病
- 高コレステロール症
- 肥満
- 合併性硬化症
- パーキンソン病
- アルツハイマー症
- 免疫不全症
- うつ病
- 骨粗鬆症
男性ホルモンの分泌量はコントロールできるのか?
男性ホルモンにも種類があって、薄毛に関係しているのはその中の一種であるジヒドロテストステロンだと言うことが分かりました。このジヒドロテストステロンは、元がテストステロンだった事を考えるとやっぱり男性ホルモンが増えると薄毛に関係があるのではないのか?と言う結論に行きついてしまいそうです。
でも、私が疑問に思うのが・・・
- 男性ホルモンが多い人が筋肉ムキムキなのか?
- 筋肉ムキムキにすると男性ホルモンが増えるのか?

もし、男性ホルモンを薬を使わず自分でコントロールできるのであれば、ハゲない方法が見つけられそうな気がします。
運動と男性ホルモンの関係
男性ホルモン本来の働きのひとつとして「骨格や筋肉を作る」事が分かっています。
男性ホルモンは、同じ年齢でも個人差があるので男性ホルモンをもともと多く持つ体質(遺伝)であれば、自然と筋肉質の体質が出来上がる事になります。

しかし、生まれ持った体格だけには限界がありますし、細身の人でも筋肉トレーニングを行うことである程度体格を変える事は可能ですよね!筋肉を作る為の運動で筋肉に刺激を与えると、血液中のテストステロン(男性ホルモン)の数値が高くなることが分かっています。
運動すると血液中のテストステロン数値が高くなる原理とは
運動で筋肉に激しい刺激を与えると、多量のテストステロンが筋肉を作る為に消費されるからだと言います。筋肉を作る為に使われたテストステロンは消費されなくなってしまう為に、運動中は継続してテストステロンを分泌する為に血液中のテストステロンの数値が高くなるのです。
また、フルマラソンなどの長時間にわたった運動の直後は、血液中のテストステロンが一気に減少する事もわかっています。
「運動で筋肉が刺激されると大量のテストステロンが分泌され、筋肉に運ばれる。筋肉細胞のアンドロゲン・レセプター(男性ホルモン受容体)にテストステロンがくっつくと、細胞分裂を促進して筋肉を増やし、使われたテストステロンは消えてなくなる」
参考:性ホルモンにと運動の関係に詳しい、女性泌尿器科・泌尿器科クリニック(神奈川県横須賀市)の奥井識仁院長
運動で男性ホルモンは増やせる
上記で述べた
- 男性ホルモンが多い人が筋肉ムキムキなのか?
- 筋肉ムキムキにすると男性ホルモンが増えるのか?
これは、どちらも当たっていると言えますね。遺伝的に分泌される男性ホルモンが多い人は、筋肉ムキムキの素質を持っているし、激しい運動で筋肉に刺激を与えればテストステロンの分泌量が増えると言うことです。過剰な運動は逆効果になりますでの、適度な運動が最適です。
男性ホルモンが増える行動・減る行動
男性ホルモンの分泌量を自分でコントロールできるのか?について、筋肉トレーニングを例にお話ししてきました。
男性ホルモンに関わらず、私たちの身体を正常な状態に保つためのホルモンは主に脳が指令を送って分泌を促しています。そのことからも、ある程度なら自分の行動や生活習慣で男性ホルモンの増減が可能だと言うことです。
≪テストステロンが増える例≫
- 適度な運動
- 良質な睡眠
- 不安定な興奮(闘争や浮気)
- バランスの良い食事
- ビタミンDと亜鉛の摂取
≪テストステロンが減る例≫
- フルマラソンなどの長時間の有酸素運動
- 多量のアルコールを摂取する
- 糖質を多く摂取する
薄毛に関係する男性ホルモンとその働き
薄毛に関係している男性ホルモンは、ジヒドロテストステロンだと言うことが分かりました。

薄毛に関係する男性ホルモンがあるのなら、そのホルモンをなくせばいい?なんて、単純な話ではありません。男性ホルモンの大半を占めているテストステロンは、だいたい30歳を境に年齢と共に減少していきます。
しかし、男性ホルモンは女性ホルモンに比べて、年齢による減少が緩やかであることや個人差が大きい事が分かっています。もともと、生まれ持った遺伝や性格の他に生活習慣の影響によって70歳、80歳になっても性欲が旺盛だと言う方がいらっしゃるのはそれが理由です。
ジヒドロテストステロンのメリットはあるのか?
薄毛を気にする方にとっては、このジヒドロテストステロンの存在が厄介なものだとわかれば憎たらしくて仕方がないかもしれんません。しかし、このジヒドロテストステロンが生まれる理由も理解して頂きたいと思います。
先ほど、個人差はあるものの男性ホルモンは年齢と共に減少していくと言う話をしました。男性ホルモンには、骨格や筋肉、性欲・性行動、男らしい精神に強い影響を与えます。
男性ホルモンが減少している事に体が気づくと、足りないものを補う為5αリダクターゼ(酵素)が働き、テストステロンよりも強力なジヒドロテストステロンに変えて、男性らしい身体、性欲、精神力を維持しようと頑張るわけです。

ジヒドロテストステロンの量でAGAの進行性が決まる?
男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロンが、薄毛になる原因を作っているという話をしました。それには、ヘアサイクル(毛周期)というものが関係してきます。
ヘアサイクル(毛周期)
男性の髪の毛の正常なヘアサイクル(毛周期)は2~5年です。数年かけて発毛⇒成長⇒衰退⇒休止(抜け毛)このサイクルが起こる為、長く太い髪の毛へと成長する事が出来ます。
ジヒドロテストステロンの影響にも個人差がある
ヘアサイクル(毛周期)が短くなる仕組みをもう少し詳しくお話しします。ジヒドロテストステロンが毛乳頭細胞(毛根の付け根)の受容体(受信機のようなもの)に取り込まれると、ヘアサイクル(毛周期)に乱れが起こり正常な周期よりも短くしてしまします。
しかし、これも人によって、毛乳頭細胞の受容体の感度が低い人と敏感な人とがいます。作られたジヒドロテストステロンの量が同じでも、受容体の感度が高ければその分多く取り込まれ、より薄毛になりやすくなってしまいます。
ハゲずに男らしさを保つには
主な男性ホルモンのテストステロンが年齢によって、減少する事によりそれを補うことでジヒドロテストステロンが合成されます。つまりは、老化に負けないようにバランスの良い食事、適度な運動、睡眠などでテストステロンを減らさない努力が必要になってきます。
テストステロンが増えれば、ジヒドロテストステロンも増えるのではないか?と考える方もいるでしょうが、健康な状態で安定的なテストステロンを保っていれば、それが理由でジヒドロテストステロンが急激に増加すると言うことはありません。
5αリダクターゼをもっと詳しく!

もともと、テストステロンだったものが5αリダクターゼ(酵素)によって、ジヒドロテストステロンに変換されるのですが、この5αリダクターゼには、2種類あります。
- 1型5αリダクターゼ
- 2型5αリダクターゼ
これが2種類に分けられていると言うことは、またまた何か理由があるって事なんですよね!実は、薄毛の代表であるAGA(男性型脱毛症)には、薄毛になる部分に特徴があります。
- 生え際から全体的に、またはM字を描くように薄毛が広がる
- 頭のてっぺん(頭頂部)から円状に薄毛が広がる
- 生え際と頭頂部の両方から薄毛が広がる
5αリダクターゼ(酵素)はある一定の決められた場所でのみ、テストステロンと合成します。1型、2型5αリダクターゼでは、働きかける場所が違う為、一方の5αリダクターゼがAGA(男性型脱毛症)と強く関係していることが分かっています。
さらに、どんなに男性ホルモンが多くてもAGA(男性型脱毛症)の可能性が極めて低い人が存在します。実は、5αリダクターゼがこの秘密のカギとなっているのです。
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5αリダクターゼと薄毛の原因を徹底解明!1型・2型にハゲない秘密?
薄毛・AGA(男性型脱毛症)の事を調べていると、必ず目にするのがこの「5αリダクターゼ(還元酵素)」と言う言葉です。私も、自分の抜け毛や旦那のM字ハゲを気にするまでは、一切聞いた事なかった5αリダクタ ...
薄毛と男性ホルモンの関係【まとめ】
いかがでしたか?
薄毛と男性ホルモンには、本当に深い関係があるのが分かりましたね。しかし、男性らしくいつまでも若々しくいる為にも、大事な男性ホルモンを減少させない努力を行いましょう。
「男性ホルモン」全てが薄毛の原因ではありません、男性ホルモンの一種ジヒドロテストステロンが薄毛になる原因の引き金を持っていると言う事をしっかり理解してください。生活習慣を整え、健康に気を使っていても残念ながら遺伝により発症する方もいらっしゃいます。
薄毛がAGA(男性型脱毛症)の場合は、正しい治療を行えば治る時代です。近年では、AGA専門のクリニックの多くが無料カウンセリングを行っていますので気になる方は、専門医に相談してみてはいかがでしょうか?
あなたの悩みが少しでも解決されれば幸いです。